最初に診た医者より、後で診た医者の方がより正確な診断に近づける、という意味。
実際、訳も分からない状態で搬送された患者から病歴を聴取し、身体所見をとり、その時に必要と思われる検査のオーダーをして、その結果を解釈する。その課程の中で状態が刻々と変わる患者の病態の変化に留意し、急変しないように対応したり、それでも急変したらそれに対応して安定化を図ろうとしている。
それらの苦労が一通り終わってその後を後医に任せると、後医からすれば一通りの結果が分かってからの対応だから、より問題点を抽出しやすくなっている。その分、正確な診断に繋げることができる。
これらは、前医の努力があってのこと。
そしてそこに、前医の苦悩があったからのこと。
しかし、多くの後医はその前医の苦悩と努力を忘れている。
そして、そういった前医の苦悩と努力を顧みることなく、前医を批判する。
「あの医者は何をやってんだ?」「そんなことすればこうなるに決まってるじゃん」など…。
しかし、時には自分がその前医の立場となり得る。
そこで自分が犯した行為が愚かであったことに気付くだろう。
前医の苦悩と努力を嘲笑ってはいけない。
逆に、前医に対して敬意を払い、彼らの考察を理解する努力が必要だ。
医者も人間で、自分が優位であるように見せたいが為にしばしば前医を嘲笑うかの愚行を犯すが、
それは第三者から見たら恥ずかしいことだと言うこと認識した方が良い。