動脈硬化と言う言葉をご存じの方は多いだろう。
しかし、それを単に「加齢によるもの」と思われていないだろうか?
動脈硬化の原因となる因子は様々だ。
もちろん「加齢」もその一つ。
しかし、加齢によるものだけならどうしようもないことなので、私たち(医者)は特に何も言わない。
問題になるのはその他の因子だ。
簡単に言うと、高血圧や糖尿病、高脂血症・高コレステロール血症、高尿酸血症・痛風といったものだ。
それ以外には喫煙やストレスなども動脈硬化の因子となり得る。
これらの動脈硬化の増悪因子を、年を取ってから何とかしようとしても既に遅い。
こういったものは若い時からの蓄積によるもので、20代・30代の時の不摂生がそのまま高齢になるまで続けば、そういった不摂生のない健康的な生活を送ってきた高齢者に比べると動脈硬化は断然進んでいる。
気がつけば、高齢になって脳卒中や心筋梗塞を起こしやすい血管の状態になっていて、血液をサラサラにする薬を飲まなきゃいけなくなったり、降圧薬や高脂血症治療薬、糖尿病治療薬、痛風治療薬などを飲まなければならなくなってしまう。
そうならないように、若い内から健康には気をつけていただきたい、と思う。
脳卒中や心筋梗塞の予防は、若い時から始まっている。