災害対策って何なんだ?

今日「医療の災害対策」と題した講演会に行ってきた。
わざわざ電車で1時間以上かけて、お金を払って聴きに行く。
自分でも「物好きだな」と思ったけど、やっぱり自分が学生時代から興味を持っていたことで、やりたかった事だと思うから…。

でも、話を聴いていて「やはり(災害対策の人たちって)マニアックだな」って思った。
恐らくは、臨床を離れ災害のことばかりを考えている人たちで、そういう人たちからすれば災害時にどう動くべきかってのはある意味で見えやすいことかもしれないけど、
実臨床をしながら災害時にどう動くかを常日頃から考えることはやはり困難だろ、と思わずにはいられなかった。

家に帰ってやっているテレビ番組はやはり震災特集。
それもそのはずで明日は東日本大震災から2年が経過する日だ。
被災地ではいまだに災害の爪痕が残り、まだ多くの被災者が帰れないでいるのが現実だ。

そんな中でやっていたのが福島原発事故の検証。
どうして事故は起こったのか、その事故は防げなかったのか、という検証番組だ。
後出しじゃんけんでは好きなように言える。
実際にその場にいたものの判断が、その時のおそらく誰もがしえた最高の判断であったろうと思う。
だから、その検証番組で言われていることから今更東電や原発の職員を責めようなんて思わない。
ただ、番組を見ていて、そして自分自身が病院の災害対策に関わっている時に感じるのと同じ虚しさを感じた。

「災害対策って何なんだ?」と。

何十年何百年に一度の災害。
阪神・淡路大震災、東日本大震災など大きな地震が起きるたびにそう形容される。
しかし、実際にはそれほど長い時間が経たない内にそれだけ大きな地震は繰り返されている。
30年以内に80%以上の確率で起こると言われている関東大震災の再来。
そう言われていても、詰緊の対策として災害対策を施そうとする者はいない。
下手すると「いつ起こるか分からない震災に金なんてかけられるか」と言う者もいる。
それが多くの危機管理マネージャーを務めていたりするのが現状なのだろう。

今日の講演会であったキーワードの一つは「平時と有事の切り替え」というもの。
多くの場合は平時であるが、いざ事が起きた時の有事に際し、対策を講じておくことが危機管理である、と。
そして、原発事故の検証番組を見ていて「有事の際の訓練を行っていない日本人が管理する原発だから、こういう事故が起きたんだろうな」と思った。

戦争を放棄し、平和ボケした日本人。
常に天災と言う有事が控えているにもかかわらず、対岸の火事で過ごして来ているからか、自分に降りかかる問題としてとらえていない。
不安定な東アジア情勢の問題もあり、国が戦争を放棄してもいつ国内が戦争に巻き込まれないとも限らない。
そんな想定ができない日本人ではこの先何度震災を経験しても減災はできないんじゃないかな?と危惧する。

まずは、自分と家族を守られるようにはしよう。
そして、少しずつでも自分が関わる人たちを守れるようにしたいと思う。
それが震災を間接的にでも経験してきた者たちの務めだと思うから。

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