ノロウイルスですか?

そろそろ下火になってきたが、まだまだ救急外来に来院する嘔吐・下痢の患者さん。
ノロウイルス流行期には、来る患者来る患者が皆「ノロウイルスですか?」と訊いてくる。
そんな時「そうかも知れませんね」と答える。

嘔吐&下痢となれば、まずつく診断名は「胃腸炎」だ。
その原因ウイルスとして代表的なモノは「ノロウイルス」だが、実際にはノロウイルス以外にもロタウイルスでも激しい嘔吐&下痢を呈する。
おそらくそれ以外の一般的な風邪のウイルスでもそういう症状が出ることもあるだろう。
それ以外に、病原性大腸菌やウェルシュ菌、サルモネラ菌、カンピロバクターなど食中毒で有名な菌も「胃腸炎」の症状を呈する。
つまり、嘔吐&下痢の症状を呈するものは、ノロウイルスだけではないのだ。

でも、冬の嘔吐・下痢を主訴に来院する患者は皆「ノロウイルスですか?」と訊いてくるのは何故だろう?
恐らくそれは、マスメディアの影響が大きいだろう。
「ノロウイルスで高齢者●名死亡!」「ノロウイルスで●●●人の集団食中毒!!」と言った見出しでこの冬の嘔吐&下痢の患者の不安をあおる。

確かに、ノロウイルスはインフルエンザ同様に感染力は強いが、感染してしまえば単なる胃腸炎と同じで、何とか水分摂取をするしかない。
口から水を取れなければ点滴をするしかないし、それはノロウイルスでない感染による胃腸炎でも同じだ。
そして最後は自己免疫力で乗り切るしかないのだ。

それ故僕らはいつも患者さんに言う。
「水分をいつも以上にとって、食事は控えて、しっかり休んでください。脱水を予防したら、最後は自己免疫力です」と。
それ以外に僕らがやってるのは、体が治ろうとする力をサポートする薬を出すだけです。

何はともあれ、しっかり休んでくださいね。

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