かつてniftyなどに代表された「パソコン通信」と言われていた時代には、通信手段はメール位しかなかった。
しかも、今みたいにデコレーションや写真を付けることもできない、味気もない同じ字体の同じサイズでのメールしか送れなかった。
その時代から、ネットにおけるメールにおいて「情報伝達におけるルール」と言うものが存在した。
その一つが「チェーンメールの禁止」だ。
その時代に多かったのは「不幸の手紙」形式のもので、突然見ず知らずの相手からメールが送られ「このメールを5人に転送しなければあなたは不幸になる」と結び、不特定多数にメールが送られるように仕向けられた。
これは、当時まだ細い通信帯の中でのトラフィックの増大を招き、言うなれば不要なメールによる交通渋滞を引き起こすことになり、メールなどのその他の通信に影響を及ぼすとして「ルール違反」とされた。
送られた方の「不幸になりたくないから送る」と言う短絡な発想がさらに悪循環を生む訳で、ネットに関わる者すべてにネットを快適にするためにルール順守を求めていたものだ。
時代は進み、かつてのナローバンドはほとんど見られず、ブロードバンドが一般的になり、ちょっとやそっとのチェーンメールでネットワークが停滞することはまずないであろう状態にはなっている。
コミュニケーション手段も、かつては1対1だったメールのやり取りから、1対不特定多数と言ったやり取りにまで拡大し、誰かが発信した情報がとてつもないデマにまで発展する事態もしばしば見られている。
事件は、どこぞの厨房が発信したツィートがリツィートされ、最終的にその厨房が「嘘だよ、信じるなんてバカじゃねぇの?笑」と発信して批判を食らったというものが最近あったようだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1212/11/news087.html
しかし、この事件で騙された人たちにも反省されるべきところがあると言いたい。
先のチェーンメールの話でも書いたが、ネットワークを用いる者は、そのネットワークで発信する情報に対して責任を持たなければならない。
一概に「リツィートしてほしい」とあったからと言ってそのままやってしまう限り、その発信した者にも責任はある。
やるなら気仙沼消防に救助要請すればいい話で、リツィートする必要はない。
発信した厨房に責任は当然あるが、リツィートした者たちにもその加担をした責任の自覚するべきだと思う。
世の中いろんな情報が錯そうしている。
今までには東電社員への待遇や政府の失態など様々な内容が「リツィートを」と流れてきているが、その情報が正しいものかどうかも含めて吟味して再発信(リツィート)することが大事である。
それが分からないまま発信することは、デマの拡散に加担しているほかないことを自覚するべきである。
ブロードバンドになっても変わらないルールがある。
自分たちの生活を実りあるものにするためにも、しっかりと真実を見極める目を養い、行動しなければならないと自戒も込めてここに記す。