かつての銀塩フィルムの時代がいよいよ終焉を迎えようとしているように思えてならない。
デジカメプリントを自宅のインクジェット・プリンタ以外で経験したことはないが、
やはり銀塩フィルムの写真店でのプリントに勝るモノはないように思う。
かつて何百枚も撮って、高いお金を払って現像し、
その中からまずはL版でのプリントをいくつか行い、
更にその中から厳選された数枚にのみまた高いお金を払って引き延ばしをしていた時代が、
10年前は当たり前だった。
わずか10年で、一般家庭に一眼レフが浸透したのは、やはりデジタル化が大きいのだろう。
しかし今は簡単に撮影してパソコンに保存し、簡単にプリントアウトできる時代になり、
撮影の瞬間瞬間を大事にすることがなくなってきた。
銀塩フィルムで撮った写真の中から、渾身の一枚をプリントした時の感動は、並大抵のモノではなかった。
その感動は、今は薄れている。
かく言う自分も、その手軽さからデジカメで済ませている。
先輩からnikonの最上位機種であったF5は、ひっそりとカメラバッグの中で眠っている。
しかし、時代が変わりデジカメで過ごしている毎日であっても、やはり銀塩フィルムのカメラは捨てられないでいる。
かつて青春を過ごした時代に愛用していたモノを、時代が変わったからと言って捨てられないのは、
先輩の想いがある以外に、やはり自分の中に感慨深いモノがあるからだろう。
これから先、万が一にも銀塩フィルムがこの世から消えたとしても、
想いでのカメラは捨てられないであろう…。