離島・僻地の医療はかなり貧弱だったりする。
病院がない離島はもちろんのこと、
病院があっても、そこで行われる医療は、都会では考えられないほど貧弱であったりする。
たとえば、超急性期の脳梗塞(発症3時間以内の脳梗塞)ではt-PAという血栓を溶かす薬を投与することで劇的に回復しうる可能性がある。
この薬剤を使用する条件として「24時間いつでもCTが撮れる」&「いつでも脳外科医が対応できる」ことを条件としている。
しかし、僻地や離島にどれだけ脳神経外科医がいるだろうか?
結果として、この魔法の薬と言われたt-PAは、都会や一部の地方都市でしか使われず、病院があっても僻地にある病院では投与できないのが現状だ。
また、急性心筋梗塞の治療となれば緊急カテーテル検査が必要だったりするが、そう言うことができる医者は離島や僻地にはそうそう居るものではない。
離島では日中しか移動手段はなく、夜間に心筋梗塞を発症すれば海上保安庁や自衛隊にヘリ輸送をお願いしなければならない。
はっきりした心筋梗塞なら対応しやすいが、循環器医でさえ悩む心筋梗塞疑いとなるとその対応に苦慮することもしばしばだ。
小児の急変や妊婦の陣発など、離島・僻地では確実な対応をできない事も多い。
こういう問題を孕みながら、離島や僻地で生活している人たちがいる。
都会での医療とは雲泥の差だ。
これが、日本の医療格差の現実なのだ。